吉川朋孝 筋トレの教科書ブログ

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【走ったら太りますよ!】遺伝子検査ダイエットの効果とは?③ 遺伝子によって有酸素運動がいいか筋トレがいいかなんて議論がおかしい!

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「遺伝子検査ダイエットの効果とは?」シリーズもいよいよ最終。

第三弾の今回は「遺伝子によって有酸素運動がいいか筋トレがいいかなんて議論がおかしい」です。

遺伝子検査ダイエットの中には、食事方法だけではなく、
遺伝子タイプによって運動方法を変えるというものもあるそうです。

たとえば、筋トレで言うと、
重いものを少ない回数行ったほうが効果的な遺伝子タイプか、
軽いものを高回数やったほうが効果的な遺伝子タイプがあり、
それによってトレーニング方法を変えるというもの。

他にも痩せやすくするために有酸素運動をメインにするか、
筋トレをメインにするかが遺伝子タイプによって変わるというものです。

果たしてそのような理論は正しいのでしょうか?

まず、筋肉は大きく分けると
速筋(そっきん)繊維遅筋(ちきん)繊維の2種類があります。

速筋繊維は、スプリンター系の筋肉で、瞬発力に優れ、筋肥大しやすい筋肉。

遅筋繊維は、マラソン系の筋肉で、持久力に優れ、筋肥大はほとんどありません。

これを女性が見ると、太くなりたくないから、
速筋繊維を鍛えたくないと思いがちですが、全くの誤解です。

痩せたかったら速筋繊維を鍛えるべきです。

そもそも筋肉の太さを左右する
テストステロン(男性ホルモン)の量が圧倒的に少ない女性が
どれだけ鍛えても男性のように太くなるようなことはありません。

一見、マラソンランナーのほうが細くて脂肪がないように見えますが、
それは、燃費のいい省エネな遅筋が多いだけで、
実はとても太りやすいのです。

マラソンランナーは長距離を走ることが目的となるため、
それだけたくさんのエネルギーが必要となります。

遅筋繊維は、動かしたときにだけエネルギーを使い、
普段はできるだけ無駄なエネルギーを使わない、
いわゆる燃費のいい省エネな筋肉です。

実際、持久系の運動を長期間行うと、
速筋繊維の性質が少なくなり、遅筋繊維が増えることがわかっています。

つまり、持久系の運動ばかりすると、
痩せやすくなるどころか、逆に太りやすい体質になってしまうのです!

走っている人が痩せているのは、走り続けているからであり、
走るのをやめた途端にリバウンドします。

速筋繊維は、体温を維持するのに使われる筋肉なので、
動いていないときの安静時でもたくさんのエネルギーを消費します。

つまり、速筋繊維を増やすことが太りにくい体質になるということですね。

この速筋繊維の増やし方ですが、たくさんやれば良いという訳ではありません。

大事なのは回数ではなく、一回一回の質であり、
筋肉に対しての強度を高くすることです。

よくお客様に指導しているときに聞かれることがあります。

「これは何回やるのですか?」

そのとき私はこう答えます。

「回数は私が決めますので、回数は気にせず、一回一回集中して行ってください」

回数を意識してしまうと、不思議なもので、
まだ余力があっても最初に決めた回数に近づいた途端、
意識が筋肉を支配し、力がでなくなります。

これでは、本来の筋破壊(筋肉の限界)に到達しません

最後の一番おいしいところを逃すことになります。

私が筋トレで最も重視しているのは、重さや回数ではありません。

一回一回のクオリティです。

そして、私の筋トレ大原則:

「キツい局面をできるだけ長く維持し、楽な局面をできるだけ素早く通過する」です。

一般的な筋トレを見ると、腹筋でもスクワットでも、
完全に筋肉が休んでしまっている箇所がありますが、
私はそのようなところは作りません。

負荷の範囲内で筋肉の伸び縮みはしても、完全に筋肉を休ませることはしません。

こういったことを意識していると、おのずと回数は10回前後と少なくなりますし、
高重量を与えなくても強度が増すので、怪我のリスクも軽減されます。

筋トレは一生のスポーツ、健康維持のためでもありますから、
安全で効果の高いやり方をするべきです。

速筋繊維を鍛える私のおすすめ回数はどんな種目でも15回以内です。

これ以上増やすと速筋繊維への刺激がなくなるだけでなく、
集中力も続かないからです。

もし、15回を超えてできるのであれば、やり方を疑うべきですし、
正しくやってても15回以上できるのなら、キツい局面を数秒維持するか、
ダンベルなどの重量を増やすことをおすすめします。

また、私の場合、種目によっても回数は変わります。

これは、長年やっていると自分で気づくのですが、
種目によって、10回のほうが効く場合と、
8回のほうが効きやすい場合とがあります。

これは、筋肉の部位によって変わる場合もありますし、
高重量の場合だと、集中力が持続できる範囲がありますので、
それによって回数が変わる場合があります。

遺伝子によって、生まれつき遅筋が多いか、
速筋が多いかという違いはあっても、
速筋と遅筋の性質に違いはありませんので、
太りにくい体質にするには、速筋繊維を鍛えるべきです。

また、速筋繊維を鍛えるには、高強度で筋肉をしっかりと効かせる
正しいフォーム(技術)が重要です。

個人個人の骨格、運動能力によって、
効かせやすい種目、効かせやすい方法はあっても、
遺伝子タイプによって運動方法が変わるということはありません。

どの種目、どのやり方がその人にとって効果的かは、
現場にいる経験値の高いトレーナーが見極めるべきです。

確かに遺伝子のタイプによって、筋肉のつきやすさは大きく変わり、
特に日本人は筋肉が付きづらいタイプが多いようです。

だからこそ、やみくもに筋トレを行うのではなく、
効果を最大限に引き出す、正しいフォームと正しい方法で
筋トレを行うべきなのです。

自己流で行うと、筋肉に正しく効かせることが非常に難しく、
ほぼ間違いなく「やりやすい楽なフォーム」になってしまうので、
筋トレを始めるなら、悪いフォームが固まらない最初のうちに、
正しい指導を受けることをお勧めします。

短時間で正しいフォームの習得は難しくても、
正しい筋トレの概念を知るだけでも、未来は雲泥の差です。

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